クコは古くから薬として利用されてきました。中国では紀元前200年にクコに関する記載があります。
乾燥させた果実・根皮・葉は、それぞれ枸杞子(クコシ)・地骨皮(ジコツヒ)・枸杞葉(クコヨウ)と呼ばれ生薬として利用されています。
枸杞とは本草綱目によれば枸橘(からたち)のようなトゲがあり、杞(コリヤナギ)のように枝がしなやかなため名づけられました。
また、クコの根が骨のような形をしているため、根皮は生薬名で地骨子(ジコツヒ)と呼ばれるようになったといわれています。
クコの葉はベタイン、フラボノイド配糖体、ルチン、ビタミンC、β-シトステロール、アミノ酸および多種類のミネラル、微量元素を含み、抗酸化力を持ち、毛細血管などの血管壁を丈夫にし、血行を良くする作用にも優れています。葉を煎じて飲むお茶はクコ茶と呼ばれ、体の強壮作用があります。
これらの成分は次のような効果・効能が期待されます。
クコ茶に含まれるベタインには、肝臓への脂肪の蓄積を防ぐ働きがあり、脂肪肝の予防や肝機能の向上に効果があります。
クコに含まれているβ-シトステロールには、血中のコレステロールを減少させる働きがあります。
食事から摂取したコレステロールは、胆汁酸と結合して腸で吸収されます。β-シトステロールはコレステロールとよく似た構造を持っており、先に胆汁酸と結合することで腸でのコレステロールの吸収を抑え、血中のコレステロールを減少させます。
クコ茶に含まれるビタミンB1は糖質の代謝に必要不可欠です。体内で糖質の代謝が正常に行われないと、疲労物質である乳酸が蓄積し疲れを感じます。ビタミンB1には、体内で糖質を効率よくエネルギーに変えるサポートをする働きがあるため、乳酸の蓄積を抑制して疲れないようにし、疲労回復を早める効果があります。滋養強壮にもよいといわれています。
クコ茶に含まれるゼアキサンチンは紫外線などが原因で目が酸化することを防ぐ働きがあります。そのため、視力低下や白内障、緑内障などの予防に効果的です。
クコ茶に含まれるルチン、ヘスペリジンなどのフラボノイドには、血管を強化し血流をスムーズにする働きがあるため、血行不良から引き起こされる冷え性や肩こり、腰痛の改善に効果・効能が期待できます。
血中コレステロールを下げ、動脈硬化を予防する働きがあります。
クコ茶は血圧を調整してくれる作用もあり、高血圧の人にもや低血圧の人にも効果が期待できます。
クコ茶にはクコタンニンという枸杞の葉だけに含まれている種類のタンニンがあり、酸化還元作用を持ち、老化を防ぐとともに、ガンの予防にも効果が期待されています。
ちょっと香ばしい感じがします。
五性:涼 五味:甘、苦 帰経:肝、脾、腎
妊娠中には控えて下さい。
中国産